Column コラム

排水管工事の費用相場と業者の選び方|トラブルを放置した際のリスクも解説

目次

    1. 排水管のひび割れや破損など劣化による水漏れ
    2. 排水口からの水の流れが悪い・逆流してくる
    3. トイレ排水管の耐用年数が過ぎている
    1. 排水管内部を修繕するライニング工事(更生工事)の費用
    2. 古い排水管を交換する更新工事の費用
    3. 排水管のつまりを解消する高圧洗浄の費用
    1. 悪化する前に早めに専門業者へ相談する
    2. 日頃から排水管を詰まらせない使い方を心がける
    1. 施工実績が豊富で評判が良いかチェックする
    2. 見積書の分かりやすさや工事後の保証やアフターフォローが充実しているか
    1. 排水口から不快な臭いや害虫が発生する
    2. 階下への漏水など近隣住民とのトラブルに発展する
    3. 建物の基礎や構造部分が腐食する恐れがある

給水管・給湯管の劣化やライニング工事について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください

排水管の工事を検討する際、費用がどのくらいかかるのか、どの業者に依頼すれば良いのかは重要な問題です。 排水管の工事にかかる費用は、補修や交換といった工事内容によって相場が大きく変動します。 また、安心して任せられる優良な業者を見極めることも大切です。この記事では、排水管工事に関するこれらの情報を網羅的に解説します。

こんな症状は要注意!排水管工事が必要となるサイン

排水口からの水の流れが悪い、悪臭がするといった症状は、排水管に何らかのトラブルが起きているサインです。これらの問題は、配管内部に蓄積した汚れによるつまりや、経年劣化による配管の破損が原因で発生します。また、見た目では分からなくても、排水管の設置時に適切な勾配がつけられていない勾配不良が原因で、水がスムーズに流れなくなっているケースもあります。このようなサインを見逃さないように、まずは普段からチェックを心がけましょう。

排水管のひび割れや破損など劣化による水漏れ

長年の使用による劣化は、マンションの排水管においてひび割れや破損を引き起こし、水漏れの原因となります。特に、見えない場所での水漏れは、知らず知らずのうちに建物の構造部分に影響を与え、劣化を早める恐れがあります。このような状況を放置すると、マンション全体の排水管の工事が必要になるなど、大規模な修繕に発展する可能性も否定できません。水漏れの兆候が見られる場合は、早急な点検と適切な排水管の工事を検討することが、マンションの資産価値を保ち、安心して生活するために不可欠です。補足ですが、国交省のガイドラインでも、築30〜40年で配管更新を行うのが望ましいとされています。

排水口からの水の流れが悪い・逆流してくる

キッチンや浴室、洗面所の排水口からの水の流れが悪い、またはゴボゴボという音とともに逆流してくるのは、排水管のつまりが原因であることが多いです。 キッチンの流しからは油や食材カス、浴室からは髪の毛や石鹸カスが日常的に流れ、これらが管の内部で蓄積・固着して水の通り道を塞いでしまいます。トイレの場合、トイレットペーパー以外のものを流したことがつまりの原因になることもあります。 マンションなどの集合住宅では、各戸の排水管が合流するPS(パイプスペース)内の共用立管でつまりが発生すると、上階からの排水が行き場を失い、下の階の部屋で逆流する被害が起きる可能性もあるため、注意が必要です。

トイレ排水管の耐用年数が過ぎている

排水管には素材ごとに耐用年数があり、目に見える不具合がなくても、この年数を超えて使用している場合は交換を検討する時期です。 排水管は床下や壁の中など、普段は見えない場所に設置されているため、劣化が静かに進行しているケースが少なくありません。 特にトイレの排水管は、常に水が溜まっている部分もあり、腐食や接合部のパッキンの劣化が進みやすい箇所です。 耐用年数を大幅に超えた排水管を使い続けると、ある日突然破損して大規模な水漏れ事故につながるリスクが高まります。 建物の築年数を確認し、排水管が耐用年数に近づいている場合は、計画的な点検や交換工事を視野に入れることが賢明です。

給水管・給湯管の劣化やライニング工事について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください

<工事内容別>排水管工事にかかる費用相場

排水管工事にかかる費用は、工事の内容や規模、建物の構造によって大きく変動します。 管内部のつまりを除去する比較的手軽な作業から、床や壁を解体して給排水管全体を交換する大規模なものまで様々です。 工事を依頼する前に、代表的な工事内容ごとの費用相場を把握しておくことで、業者から提示された見積もりが適正かどうかを判断する材料になります。 ここでは、主な排水管工事の種類別に、それぞれの工事費の目安を解説します。

排水管内部を修繕するライニング工事(更生工事)の費用

ライニング工事(更生工事)は、既存の排水管を撤去せず、その内側に樹脂を塗布して新たな管を形成する修繕方法です。 床や壁を壊す必要がないため、工期が短く、解体・復旧に伴う費用がかからないのが大きなメリットです。
このライニング工事の費用は、施工する配管の長さや口径、現場の状況によって異なりますが、マンションの排水管更生工事では、1戸あたり30万円から40万円が目安とされています。ただし、この費用に加えて、施工前の高圧洗浄費や諸経費が別途必要になる場合があります。 配管の劣化が激しい場合や、大きな穴が開いている場合には適用できないため、事前にカメラ調査による診断が不可欠です。
詳しくは大阪ガスリノテックのサービスページもご覧ください。

古い排水管を交換する更新工事の費用

更新工事は、老朽化した排水管をすべて撤去し、新しい管に交換する工事です。既存の配管を撤去するため、マンションの床や壁などを解体する必要があり、工期が長く、費用も高額になる傾向があります。費用は、交換する配管の長さ、材質、そして解体・復旧する範囲によって大きく異なり、一般的に数十万円から数百万円に及ぶこともあります。例えば、マンションの場合、専有部分の配管交換で30万円程度、共用部分を含む大規模な交換では100万円以上かかるケースもあります。ライニング工事(更生工事)では対応できないほど劣化が進行している場合や、配管の寿命を根本的にリセットしたい場合に選択される方法です。

排水管のつまりを解消する高圧洗浄の費用

排水管のつまりを解消する効果的な方法の一つが高圧洗浄です。専用の機械を使って高圧の水を噴射し、管内にこびりついた油脂や髪の毛、ヘドロなどを強力に剥がし取って洗い流します。高圧洗浄の費用は、作業を行う配管の長さや建物の種類によって異なります。マンションの場合は、専有部分のみか、共用部分も含むかによって料金が変わりますが、1戸あたり4,000円前後が相場とされています。基本的な料金の他に、出張費や駐車場代、深夜・早朝の割増料金などがかかる業者もあるため、依頼する前につまりの状態と合わせて料金体系をしっかり確認しましょう。

排水管工事の費用を安く抑えるポイント

専門的な技術を要する排水管工事は、費用が高額になりがちです。 しかし、費用を抑えるポイントもあります。複数の業者から見積もりを取って比較検討することは基本ですが、トラブルの兆候に早く気づき、悪化する前に対処することも重要です。これらのポイントを理解し、計画的に行動することが、最終的な費用の削減につながります。

悪化する前に早めに専門業者へ相談する

排水の流れが少し悪い、時々異音がするなど、排水管の不調を感じたら、症状が軽いうちに専門業者へ相談することが、結果的に工事費用を抑えることにつながります。 初期の段階であれば、高圧洗浄など比較的安価な作業で解決できるケースがほとんどです。 しかし、「まだ大丈夫」と問題を放置してしまうと、つまりがより深刻化したり、水漏れが発生して建物の構造材を傷めたりする可能性があります。 被害が拡大すれば、その分工事も大掛かりになり、修繕費用は何倍にも膨れ上がってしまいます。 定期的な点検を業者に依頼することも、トラブルの早期発見と予防になり、結果的にコストを抑える賢明な選択です。

日頃から排水管を詰まらせない使い方を心がける

高額な工事費用を発生させないためには、日頃から排水管に負担をかけない使い方が最も効果的なメンテナンスとなります。 キッチンでは、天ぷら油などの廃油はもちろん、油汚れのひどい食器も、洗う前にキッチンペーパーで拭き取る習慣をつけましょう。細かい食材カスを流さないよう、シンクには必ずネットを設置し、こまめに取り替えることも大切です。 浴室では、髪の毛が排水口に流れないようヘアキャッチャーを設置し、定期的に清掃します。また、熱湯を一度に大量に流すと塩ビ管を傷める原因になるため注意が必要です。こうした日々の小さな積み重ねが、排水管の寿命を延ばし、急なトラブルを防ぎます。

その他のライニング工法

上記以外にも、様々なライニング工法が存在します。
それぞれの配管の材質や劣化状況、用途に応じて最適な材料と工法が選択されます。セラミックスを用いたり、薬剤を添加したりする方法も、延命工法として挙げられますが、マンションなどの共同住宅ではライニング工法が最も普及しています。
また、配管の種類によっても、選ぶべき工法や適用するべき工法があることも見逃せないポイントです。例えば、大阪ガスリノテックでは、排水配管トラブルに最適な「DREAM工法(ドリーム工法)」や、給水管・排水管・空調配管など幅広く適用できる「PIPS工法(ピップス工法)」など様々な状況に合わせた技術を持っています。よければこちらの工法紹介のページもお読みください。

失敗しない優良な排水管工事業者の選び方

排水管工事は、専門知識と高度な技術が求められるため、業者選びは工事の成否を分ける最も重要な要素です。しかし、ウェブサイトや広告だけでは、どの業者が本当に信頼できるのかを見極めるのは難しいものです。ここでは、悪質な業者による高額請求や施工不良といったトラブルを避け、安心して工事を任せられる優良な業者を選ぶための具体的なチェックポイントを解説します。

施工実績が豊富で評判が良いかチェックする

業者の信頼性を見極める上で、過去の施工実績は重要な判断材料となります。ウェブサイトなどを確認し、自身の住まいと同じような建物の施工事例が豊富にあるかチェックしましょう。多くの経験を積んだ業者は、様々な状況に対応できるノウハウを持っており、質の高い施工が期待できます。実績が乏しい業者や、施工不良に関する悪い評判が多い業者は避けるのが賢明です。

見積書の分かりやすさや工事後の保証やアフターフォローが充実しているか

複数の業者から見積もりを取っての比較はもちろん、何にどれくらいの費用がかかるのかが一目で分かるなど、見積もりの透明性の高さもチェックしてください。担当者に質問した際に、納得のいく明確な説明が得られない業者は、後から不当な追加料金を請求してくる可能性があります。見積書の分かりやすさは、その業者の誠実さを測るバロメーターの一つです。
さらに、工事は完了したら終わりではありません。 万が一、工事後に不具合が発生した場合に備え、保証制度やアフターフォローが充実している業者を選びましょう。契約前に、保証の期間や保証の対象となる範囲、免責事項などを書面でしっかりと確認し、保証書が発行されるかを必ず確認してください。また、トラブル発生時に迅速に対応してくれる体制が整っているかどうかもポイントです。 定期的な点検の案内など、長期的な視点で住まいの水回りをサポートしてくれる業者であれば、より安心して長く付き合うことができます。

排水管のトラブルを放置した場合に起こりうるリスク

排水管の水の流れが悪い、時々変な音がするといった小さなサインを軽視して放置すると、予想以上に深刻な事態を招くことがあります。単なる不便さの問題だけでなく、衛生環境の悪化や、建物の資産価値を損なう事態にもつながりかねません。 特にマンションなどの集合住宅では、自室だけの問題にとどまらず、近隣住民を巻き込む大きなトラブルに発展する可能性も秘めています。ここでは、排水管のトラブルを放置した場合の具体的なリスクについて解説します。

排水口から不快な臭いや害虫が発生する

排水管の内部に汚れが溜まって腐敗したり、配管にひび割れなどの破損が生じたりすると、下水からの悪臭が室内に侵入してくる原因になります。通常、排水口に設けられた排水トラップの封水が悪臭の逆流を防いでいますが、配管のトラブルによってこの機能が損なわれると、不快な臭いが常に漂うことになります。 さらに、破損した配管の隙間は、ゴキブリやチョウバエといった害虫が屋外の下水道から屋内に侵入するための通り道になってしまうこともあります。 室内の衛生環境を著しく悪化させるため、臭いや害虫の発生は放置できない危険信号です。

階下への漏水など近隣住民とのトラブルに発展する

マンションなどの集合住宅で最も懸念されるのが、階下への漏水事故です。専有部分の排水管の経年劣化やつまりが原因で水漏れが発生すると、自室の床や家財が水浸しになるだけでなく、階下の部屋の天井や壁、家具などにまで被害が及ぶ可能性があります。そうなると、被害箇所の修復費用を賠償する必要が生じ、高額な出費を強いられることになります。また、金銭的な問題だけでなく、近隣住民との関係が悪化し、精神的な負担も大きくなります。
マンションの排水管清掃には法的な義務はありませんが、建築基準法では排水設備の点検が義務付けられており、ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)では、特定建築物において排水設備の清掃と維持管理が義務付けられています。そのため、清潔な状態を保つ必要があり、定期的な清掃が推奨されています。排水管の異常は、自分だけの問題ではないという認識を持ち、マンションに住む以上、専門業者による定期的な点検や清掃を含む適切な維持管理を怠らないようにしましょう。

建物の基礎や構造部分が腐食する恐れがある

排水管からの水漏れは、目に見えない床下や壁の内部で静かに進行することが多く、気づいた時にはマンションの建物自体に深刻なダメージを与えている場合があります。漏れ出した水によって、建物の基礎や構造部分が常に湿った状態になり、鉄筋の腐食やコンクリートの劣化を早める原因となります。腐食が進行すると、建物の耐久性や耐震性が著しく低下し、大規模な修繕が必要になる可能性があります。これは、マンションの資産価値を大きく下げる要因にもなるため、排水管のメンテナンスは、建物の寿命を守る上でとても大切です。

まとめ

ここまで、排水管の工事は、快適な生活と住まいの安全を維持するために欠かせない重要なメンテナンスです。 水の流れの悪化、異臭、水漏れなどのサインに気づいた際は、問題を放置せず、速やかに専門業者に相談することが、被害の拡大を防ぎ、結果として修理費用を抑えることにつながります。 排水管の工事にかかる費用は、その内容により大きく異なるため、信頼できる複数の業者から詳細な見積もりを取り、サービス内容と料金を十分に比較検討することが不可欠です。

もし、マンションや建物の配管に関して、ご心配な点があるのであれば、まずは「高圧洗浄」や「ライニング工事」の検討から始めてみるのがおすすめです。
さらに詳しい情報が必要な場合や、具体的な状況に合わせた最適な工法について相談したいとお考えでしたら、ぜひ大阪ガスリノテックにご連絡ください。
大阪ガスリノテックでは、給水管、給湯管、排水管など、あらゆる種類の配管に対応した多様なライニング工法をご提供しています。これらの工法を駆使し、事前の綿密な調査・診断に基づき、お客様の配管の状況に合わせた最適なご提案をさせていただきます。
全国での豊富な施工実績もございますので、安心してお任せいただけます。どのような疑問やご要望にも丁寧にお応えいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。